多機能なUAEのデジタル銀行「Wio Bank」について調べました

海外の銀行サービスについて調べていると、「Wio Bank」というUAEのデジタル銀行を見つけました。
個人向けの「Wio Personal」では、給与振込をすると金利などが優遇される「Salary Plan」、目的別にお金を貯められる「Saving Spaces」、家族で口座やカードを管理できる「Wio Family」など、気になる機能がたくさん提供されています。
さらに法人向けの「Wio Business」では、銀行口座だけでなく、請求書の作成や経費管理、給与支払いなども行えるようです。
そこで今回は、Wio Bankについて特に気になった上記の5つの機能についてご紹介したいと思います。
※サービス内容、金利、適用条件等は2026年8月24日時点のWio Bank公式サイトをもとにしています。
Wio Bankとは
Wio Bankは、UAE・アブダビを拠点とするデジタル銀行です。
個人向けの「Wio Personal」と法人向けの「Wio Business」を展開しており、個人向けでは口座やカード、送金に加えて、貯蓄、クレジット、投資、家族向けの機能なども提供しています。
Wio Personalのサイトにも「SPEND SMARTER, SAVE FASTER, INVEST EASIER, MANAGE IT, ALL IN ONE PLACE」とあり、お金に関わる様々な機能を一つのアプリで利用できる点が強みの一つとなっています。
給与振込で優遇が受けられる「Salary Plan」
ここからは、気になった機能をご紹介していきます。
まず気になったのは、Wio Bankを給与受取口座にしている人に最適な料金プラン「Salary Plan」です。
料金プランとはいっても、申し込みから2か月以内に給与受取口座に設定すれば無料で利用できます。
ただし、給与振込は最低月15,000AED、提携企業に勤務している場合は月5,000AEDが必要です。
どのような内容かというと、給与をWio Bank口座で受け取ることで、金利の上乗せやクレジットカードのキャッシュバック、手数料割引などの優遇を受けられます。
たとえば、目的別口座の金利が通常年3%のところ年3.25%に優遇されたり、目的別口座の種類とクレジットカードの利用状況(月5,000AED以上利用)によっては、通常年3.75%のところ年6%に上乗せされます。
そのほか、フリーローンの年利や為替レートの優遇があったり、クレジットカードでは最大2%のキャッシュバックが設定されています。
日本の銀行でも、給与受取で手数料や普通預金金利の優遇が受けられる銀行は多数あります。
ただ、Wio BankのSalary Planでは定期預金やカード利用、フリーローンなど他の機能と組み合わせた優遇を提供しているところが特徴的だと思いました。
給与口座としての利用を増やすだけでなく、それを起点に様々な場面でWio Bankを使ってもらえるよう意識しているのかなと思います。
定期預金にもなる目的別口座「Saving Spaces」
次に紹介したい機能は「Saving Spaces」です。
Saving Spacesは、目的ごとにお金を分けて貯めておける、いわゆる目的別口座です。旅行や教育費、車などの目的を決め、目標金額や期限を設定できます。
Saving Spacesには2種類あり、一つは通常のもの、もう一つは「Fixed Saving Spaces」というものがあります。
Fixed Saving Spacesは一定期間お金を預けるタイプで、1か月、3か月、6か月、12か月から期間を選べます。
日本でいう目的別口座と定期預金を組み合わせたような機能です。
この機能について特に気になったのが、先ほど紹介したSalary Planでは1か月もののFixed Saving Spacesに年6%という高い金利を設定していることです。
プランへの加入やクレジットカードの利用額といった条件があるとはいえ、1か月という期間の短さを考えると、かなり高金利だと思います。
さらに、Wio Bankのカードには、カードの利用時にもらったキャッシュバックを自動でSaving Spaceへ移す「Auto Save」という機能もあります。キャッシュバックをそのまま貯蓄に回せる仕組みになっていて、こちらも面白いですね。
Salary Planもそうでしたが、この2点を見てみると、Saving Spacesも他の機能と組み合わせて利用してもらうようにできていると感じました。
家族で使える「Wio Family」
さらに調べていくと、「Wio Family」という家族向けのサービスもありました。
Wio Familyでは、18歳以上の2人が一つの家族口座を共同で管理し、そこに子どもや他の成人をメンバーとして追加できるようになっています。
8〜17歳の子どもには、家族口座の中に「Pocket」を作って使わせることができます。
これは、子ども用に作る目的別口座のようなもので、子どもは自分のPocket内でお金を使ったり管理したりすることができます。
それぞれのPocketには専用のバーチャルカードを紐づけられるので、毎週のおこづかいや学校への交通費などに使えます。
なお、利用限度額やカードの有効期限の設定、取引内容の確認は管理者である大人側でできるので、安心して利用できます。
一方、18歳以上のメンバーには家族口座自体に紐づいた共有バーチャルカードを発行できます。クレジットカードによくある家族カードのようなイメージです。
また、先ほど紹介したFixed Saving Spacesの家族口座版「Family Fixed Saving Spaces」もあります。
この機能では、旅行や教育費、住宅関連の支出など、家族共通の目的に向けて一緒に貯蓄できます。
さらに、家族口座でも給与受取による優遇が受けられます。
管理者となっているメンバーのうち1人がWio Bankで給与を受け取ると、最大150万AED、2人とも給与振込をすると最大250万AEDまで、1か月もののFixed Saving Spaces(個人用・家族用)の金利が年6%に優遇されます。
ただし、Salary Plan同様、年6%を受けるには、PersonalまたはFamilyのデビットカード・クレジットカードで月5,000AED以上利用することが条件です。
夫婦や親子で共有できる口座は海外では珍しくありませんが、Wio Familyのように家族口座用の目的別口座があったり、家族口座にも給与振込の優遇があるようなサービスはあまり見たことがなく、面白いと思いました。
請求書の作成までできる法人口座「Wio Business」
個人向けだけでもかなり機能がありますが、法人向けの「Wio Business」にも注目です。
Wio Businessはチームでの利用に対応していて、会社のメンバーをWio Businessに追加し、支払いや請求書などについて、それぞれに権限を設定することができます。
また、従業員の経費用にバーチャルカードを発行することもできたり、口座開設や国内外への振込、チームでの口座管理、経費管理、目的別口座、請求書、給与支払い、融資などの機能も提供されています。
特に気になったのが、請求書機能です。
Wio Business上で請求書を作成して取引先に送ることができ、支払い状況もダッシュボードから確認できます。
支払期日が近づいた取引先へ自動でリマインドしたり、請求書にオンライン決済用のリンクを付けることもできます。
請求書の作成は会計ソフトや請求書サービスで行うのが一般的なので、それが銀行アプリの中でできてしまうのはとても新鮮でした。
まとめ
今回は、UAEのデジタル銀行「Wio Bank」の機能について調べてみました。
給与口座としての利用に最適なSalary Plan、目的別口座と定期預金の機能を兼ね備えたSaving Spaces、家族で使えるWio Family、法人用のWio Businessと、今回紹介した機能だけ見ても、サービスの幅広さが感じられます。
それだけでなく、給与口座にすると目的別口座の金利が上がる、カードのキャッシュバックを目的別口座に移して貯金できるなど、様々な機能を関連させているのが印象的でした。
今後他の銀行アプリを調べる際にも、こうした機能どうしのつながりに注目してみたいと思います。
町山莉緒
HIKARINA Inc.元学生インターン・現社員です。
大学では国際金融・国際貿易を中心に学び、1年間のオランダ留学も経験しました。
hikarina.co.jp