こんにちは!ヒカリナ学生インターンの町山です。

今回は、有料プランによるマネタイズが特徴的な海外Fintechベンチャーを紹介していきます。

海外では手数料以外でのマネタイズが主流になりつつあり、各社工夫を凝らした有料プランを提供しています。 ここでは、M1 Finance、Public.com、Betterment、STASHの4社について見ていきましょう。

M1 Finance — サービスの幅広さを活かした料金プラン

まず紹介したいのは、アメリカ在住者を対象にした金融スーパーアプリM1 Financeです。

“Empowering you to take control”(人生をコントロールする力をあなたに)という理念のもと、 「Invest(投資)」「Borrow(低金利ローン)」「Spend(デビットカード)」「Owner’s Reward Card(クレジットカード)」の大きく分けて4種類のサービスを提供しています。

M1の有料プラン「M1 Plus」では

  • 預金金利が5%に上がる
  • ローンの金利が6.95%に下がる
  • 暗号資産取引
  • 未成年者用口座の開設

などの特典が受けられ、月額$10か年額$95で加入できます。

特に注目したいのは、Owner’s Reward Card(クレジットカード)の追加特典です。 M1 Plus会員になると、amazon、スターバックス、netflixなど70以上の大手有名ブランドでの決済が最大10%キャッシュバックされます。 キャッシュバックされたお金は自動で投資に使われ、おつり投資のような感覚で投資ができます。

クレジットカードと投資、両方のサービスをつなぐことで新たな価値を生み出しており、スーパーアプリ独自の強みを活かしたプランだと思います。

Public.com — 本格派ユーザーに特化した有料プラン

Public.comは、「Making the public markets work for all people(金融市場をみんなのものに)」というコンセプトをもつ、アメリカ発の金融アプリです。

手数無料の少額投資の取引だけでなく、投資に関するSNSでユーザー同士の交流ができることが特徴となっています。 投資SNSでは、他のユーザーと意見交換をしたり、専門家によるライブ配信を聴いたりして投資に関する知識を身に着けることができます。

プレミアムという月額$10のプランでは、ESGスコアなど株式とETFに関する高度な情報や、専門家による分析レポートが閲覧できるほか、

  • 市場前取引(8:00-9:30 AM)と時間外取引(4:00-8:00 PM)が可能に
  • ポートフォリオ管理ツールの追加
  • 企業業績や主要な経済指標などへのアクセス
  • プレミアムサポートチームによるサポート

など、より本格的に投資に取り組めるプランとなっています。

Betterment — ロボアド+αの価値を提供するオプショナルプラン

Bettermentは、2008年にロボアドバイザーを世界で初めて開発・実用化しました。

「A better way to save, A better way to invest(より良い貯金とより良い投資)」というコンセプトのもと、株や債券、暗号資産への投資とロボアドバイザーを提供しており、さらに、預金口座やデビットカードなどの銀行業にも参入しています。

Bettermentの料金プランには、無料プランと有料プランの計4種類があります。 無料プランは、

  • 金利4.50%の預金口座が開設できる「Cash Reserveプラン」
  • デビットカードとデビットカード用の口座を開設できる「Checkingプラン」

の2種類です。

一方の有料プランは「Investing」プランと「Cryptoプラン」の2種類となっています。 月額$4(高額預金者は口座残高の0.25%/年)のInvestingプランでは、一般的な投資やIRAなど暗号資産以外の投資取引ができます。 もう一方のCryptoプランでは、年額 口座残高の1%で暗号資産投資ができます。

さらに、口座残高が$10万以上の有料プランユーザーは、「Premium」プランに加入することができます。 このプランでは、専門家から投資についてのアドバイスを無制限に受けることができます。 ロボアドは初心者にも最適な手軽さが魅力ですが、ロボアドだけでは物足りない本格派の投資ユーザーに訴求力がありそうなプランですね。

STASH — ファミリーに強い有料プラン

最後にご紹介するSTASHは、2015年創業の米国発少額投資アプリです。

最低5ドルから株式・ETF・暗号通貨を購入でき、また投資一任型のロボアドも提供しています。 「誰でも投資家になれる」というコンセプトの通り、誰でも手軽に投資ができるサービスと言えます。

入出金手数料は無料ですが、残高が5000ドル未満だと毎月1ドル、5000ドル以上だと残高の年間0.25%の口座維持費がかかります。 これに加え、利用には「Stash Growth」と「Stash +」いずれかのプランに加入する必要があります。

投資初心者や個人投資家向けの「Stash Growth」は月額$3で加入でき、初月は無料です。 このプランでは、

  • 投資初心者・個人向けのファイナンシャルアドバイス
  • 株式・ETF・暗号資産への投資
  • 一般的なポートフォリオと退職ポートフォリオ
  • Stock-Book® Card(デビットカード)
  • 生命保険

が利用できます。

月額$9の「Stash+」では、上記に加えて

  • 家族向けのファイナンシャルアドバイス
  • 専門家のマンスリーレポート
  • 子ども用のポートフォリオ
  • デビットカードでの支払額の1%分の株を獲得

が利用可能です。

Stash+は特に本格的に投資に取り組みたいユーザーや子育て世帯に訴求力のあるプランですが、Stash Growthでも十分様々なサービスにアクセスできます。

まとめ

今回は、有料プランによるマネタイズが特徴的な海外Fintechベンチャー4選を紹介しました。

どの企業もサービスを多角化し、ユーザーのニーズを満たしたうえでマネタイズしています。 海外では、他にも特徴的なマネタイズを行っているFinTechサービスが見られます。 今後の動向にも注目していきたいですね。