SERVICE
WebサービスやアプリなどのUXを改善・向上する、UX向上支援業務の代表的なフローをご紹介します。
01
現況調査
02
ユーザーリサーチ
03
事象と価値の整理
04
改修施策立案
05
デザイン設計
現況調査
まずは、エキスパートレビュー、デスクトップリサーチを行い、クライアントのサービスを理解します。
競合となるサービスがある場合はそちらも理解をしていきます。
スペックなどの基本的な部分、UI部分からの各社の狙いの推測、ユーザーにどう向き合おうとしているか、などを読み解いてクライアントのサービスの質の差や、アプローチの差などを把握します。
アクセス解析については、基本的な利用状況に加えて、特徴的な動きをしているユーザーがいないか、流入の仕方の部分などをおさえ、誰がどんな目的で利用しているかを探ります。
ユーザーリサーチ(UXリサーチ)
ユーザーリサーチ(UXリサーチ)の調査設計では、何を探りたいかを考え、そしてそれを誰に聞くのが良いのかを整理していきます。
ユーザーから以下のようなことを探ります。
・普段ユーザーはどう利用しているのか
・ユーザーにとってどういう意味合い、価値を持つのか
・自分なりに工夫して使っている点はあるか
・興味が湧いた際にどう行動に移すのか
・他調査で上がった仮説、社内で蓄積している仮説の確からしさ
・提供するサービス・商品とユーザーの現時点の関係を知る
上記の視点を基本として、目的に応じたかたちでユーザーリサーチ(UXリサーチ)の設計をしていきます。
手法としては、行動観察とインタビューを交互に行う手法で行うことが多いです。
自然な利用文脈(コンテキスト)を重視し、実際のユーザーのモチベーションに沿ったかたちでWebサイトやアプリを利用してもらいます。
行動の背景や理由を知りたい箇所については、オープンな質問(会話)を重ね、行動の意味合いを探リます。
逆に、発言したことを実際の行動に移してもらい、発言(考え)と行動がどう紐づいているのかを確認します。
事象と価値の整理
ユーザーの不満につながっている点、ユーザーにとっての価値を整理します。
また、会話を重ねながら、ユーザーにとっての本質的な欲求(デザインが実現すべき高次の体験価値)も探ります。
整理の仕方としては、事象(行動と発言)の把握とそれに対する考察が中心(その根底にある本質的欲求を意識しつつ考察する)となります。
「どんな人がどんな状況で、何をしようとして、こういう事がおきた(その根底にはこうした本質的欲求があるが故に) 」を一つずつストーリーとしてまとめます。
プロジェクト内ではこちらをもとに検討、設計を進めていきます。
関係者やマネジメントへ短時間で共有する場合や、プロジェクトメンバー内のブレ防止目的で以下のようなまとめかたをする場合もあります。
・利用シーンと利用目的、実際の利用の仕方の整理
・価値マップ
・上位・下位関係分析
各々の想像で解釈されないように、特徴的な事象やユーザーにとっての不満点、価値なども共有します。数が少なくてもいいのでなるべくユーザーのリアルな姿をあわせて共有できると良いと考えています。
改修施策立案
改修方法について検討していきます。まずは各事象と考察を踏まえ、そちら改修の方向性をリスト化します。改修の方向性はある程度個別具体的なものもあれば、少し広めの方向感だけのものもあります。
また、同業の他サービスの事例などを用いて検討していくこともありますし、検証に向けて簡単なプロトタイプを作成することもあります。
改修方法について、ウォークスルー評価や簡易なユーザーリサーチにより以下の観点で評価を行います。
・不満の取り除きかたとして適切かどうかの評価
・価値を感じてもらえるかの評価
・本質的な欲求を満たすことができるかの評価
あらためて、改修リストを精緻なものにしていきます。
改修内容については実現に向けての難易度も考慮して整理しますが、改修の難易度が高いものや抜本的な改修施策だけでなく、実現が容易な改修方法も提示します。
その上で、施策の決定と改修実施時期のフェージングを行います。
デザイン設計
施策の具体化に向けて動きます。デザイン改修の必要があるものはデザインしていきます。要素の追加やワーティングの修正のもの、配置の変更などについては作業指示書のかたちでまとめます。
デザイン設計から先をクライアント内部で行う場合もありますが、この段階で改修意図とズレてしまうケースも多々ありますので、一貫して管理しています。また、ズレが発生しないように、具体的な改修施策に落としておきます。
以上、UX向上支援業務の流れの例をご紹介させていただきました。
Webサイトやサービスの性質、クライアントの状況やご要望によっても変わりますが、UX向上支援業務は基本的に上記のような考え方、流れで行います。