国内の銀行アプリでもよく見かけるようになった「目的別口座」ですが、その主な役割の一つに、ユーザーが何らかの目的に向けてお金を仕分けて貯めやすくすることがあります。
旅行費用や欲しいものに向けた貯金、子どもの教育費など、目的の違うお金を一つの口座にまとめておくと、それぞれどのくらい貯まっているのかが分かりにくくなりがちです。
一方、目的別口座を使えば用途ごとにお金を分けて貯金できるため、進捗がわかりやすくなり、モチベーションの維持にもつながります。
今回は、こうした目的別口座の機能・役割に着目し、海外の銀行アプリを調査してみました。
国内の目的別口座は、口座に名前と目標額を設定できるものが一般的ですが、海外のアプリには、そこにもう一歩踏み込んだ工夫を加えた事例が見られました。
いくつか興味深い事例が見られましたが、この記事では、その中から特に特徴的な3つの事例をご紹介します。
Monzo|Savings Pots
まず、イギリスのチャレンジャーバンクである「Monzo」のSavings Potsについてご紹介します。
Savings Potsは、目的ごとにお金を分けて貯められる目的別口座です。
口座ごとに目標額を設定できるほか、例えば欲しい車の写真など、自分のスマホに入っている写真をカバー写真に設定することもできます。
写真の設定は、国内の事例でも可能なものがあるようですが(あおぞら銀行のThe Savings)、とはいえ国内ではまだメジャーな機能ではありません。
一方、海外では珍しいものではなく、Monzo以外にも、同じくイギリスのチャレンジャーバンク「Starling」やドイツのチャレンジャーバンク「N26」の目的別口座にも搭載されています。
小さな工夫ですが、目標を意識しやすくなり、貯蓄へのモチベーション維持にも役立ちそうな機能です。
Up|Maybuy
次に、オーストラリアのネオバンクである「Up」のMaybuyについてご紹介します。
MaybuyはUpが提供する目的別口座の一つで、オンラインで見つけた商品を目標として設定し、その価格を目標額とした自動積立ができます。
ネットショッピング中に気になる商品を見つけたら、OSの共有機能でUpを選ぶと商品名や写真、価格などが設定された、その商品専用の目的別口座を作れるという仕組みです。
国内はもちろん、海外にも類似の機能は見られない非常にユニークな機能です。
MonzoのSavings Potsでも、自分で写真を設定することで目標を具体化できましたが、Maybuyで目標とするのは特定の商品で、より具体的です。
常に目標を意識できるため、貯金へのモチベーションを保ちやすくなる工夫だと思います。
Kakao Bank|기록통장(記録通帳)
最後に、韓国のチャレンジャーバンクである「Kakao Bank」の「기록통장(記録通帳)」をご紹介します。
記録通帳は「推し活」に特化した目的別口座です。
「好きなアーティストが新曲を出したら」などのタイミングを決めておき、そのたびに目的別口座への積立と「記録」ができるようになっています。
ここでいう「記録」というのはメモ機能のことで、たとえば「新曲も最高!」など日記のようにその時の気持ちを記録しておけます。
一般的な目的別口座でも推し活向けた貯金はできなくはありませんが、記録通帳では「推しのために貯金頑張ってるぞ!」という実感が得やすく、楽しく貯金を続けられそうです。
私だったら、マックス・マンシー(推しているMLB選手)が好プレーをしたら積立をして、渡航費・チケット代を貯める、とかしたいなぁと思いました。
まとめ
今回紹介した3つの事例を振り返ると、目標を「見える化」する事例と方法は違いますが、どれも「目標の貯金額を達成するまで頑張ろう」と思わせてくれるような工夫が詰まっていました。
個人的には、特にUpのMaybuyが面白いと思いました。 調べてみると、Upはオーストラリアの若年層をターゲットにしており、なかでもMaybuyは「後払いで後悔の残る買い物をするよりも、じっくり貯金をしてから良い買い物をしてほしい」という思いから作られた機能でした。
このことを考えると、目標の具体的な情報を見える化しているのは、貯金へのモチベーションを保ち、「お金をためて欲しいものを買えた」という成功体験が得られるよう後押しする意味合いもあるのかなと思いました。
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