目的別口座というと、目標ごとにお金を貯めるための機能というイメージが強いかもしれません。
ただ、もう一つ便利な使い方として、支払いスパンが長くて忘れてしまいがちな保険料や車検代などの固定費を一時的に取り分けておく、というものもあります。
こうするとメイン口座に今使えるお金のみが残るため、予算の可視化や使いすぎの防止ができ、個人的にも気に入っている使い方です。
ただ、現状の国内銀行アプリでは、引落日前に目的別口座からメイン口座へお金を戻す必要があるという難点があります。
操作の手間もさることながら、戻し忘れると残高不足で引落が失敗してしまうので、少し不便に思っていました。
そこで、目的別口座まわりの機能が発展している欧米の銀行アプリを調査したところ、この悩みを解消してくれる事例がいくつか見られました。
今回は、特に気になった3つの事例を取り上げます。
Starling Bank|Bills Manager
イギリスのチャレンジャーバンク「Starling Bank」が提供する「Bills Manager」は、目的別口座から口座引落・定額自動送金を直接行える機能です。
保険料の支払いなど定期的な請求や定額自動送金を目的別口座と紐付けると、それ以降、同じ請求・定額自動送金は紐付けた目的別口座から自動で引き落とされます。
単体でも十分便利ですが、周辺機能と組み合わせるとさらに使い勝手が広がります。
例えば、Starling Bankにはこちらの記事で紹介したような入金仕分け機能もあるため、組み合わせれば、メイン口座から目的別口座への移動も自動化できます。
Bills Managerでは、目的別口座の残高が不足していると引き落としに失敗してしまいますが、これならその心配も減らせそうです。
Monzo|Bills Pot
同じくイギリスのチャレンジャーバンク「Monzo」が提供する「Bills Pot」は、引き落としなどの請求を管理するための目的別口座です。
機能は先ほどのBills Managerとほぼ同じで、周辺の機能(入金の仕分け機能など)も似通っているため、できることはおおむね同じです。
一方で、仕組みは少し異なります。 Bills Managerは目的別口座から直接支払われますが、こちらは支払期日に目的別口座からメイン口座へ自動で資金を移動し、メイン口座から引き落とされる形です。
ただ、「目的別口座にお金を置いておくだけで引き落としが完了する」という利用者の体験自体は変わらないので、その体験をどう実現するかの違いなのかなと思います。
N26|Spaces with IBAN
最後に紹介するのは、N26が提供する目的別口座「Spaces」です。
Spacesには通常の口座と同じように個別の口座番号(IBAN)を付与でき、賃貸契約など各種サービスの申込時に、引落口座として登録することもできます。
他にも、SEPA*内なら送受金ができたり、給与受取口座に指定できたりなど、メイン口座に近い感覚で扱えます。
*EU諸国を中心とした、国内外の区別なくユーロ建ての小口決済ができる地域のこと。
ここまで紹介してきた他の2事例はアプリでの設定が必要ですが、こちらはサービスの申込時に口座を登録さえしていれば、特にアプリ上での操作は不要です。
加えて、使い勝手はほぼメイン口座と同じなので、目的別口座を使ったことのないユーザーにも受け入れられやすいかもしれません。
実は、以前オランダに留学していた際にこの機能を使っていました。当時は目的別口座そのものを使うのが初めてでしたが、特に迷うことなく便利に使えた覚えがあります。
まとめ
今回紹介した3つの事例は、仕組みは異なるものの、目的別口座に分けたお金をそのまま支払いに使え、資金移動忘れによる支払い漏れを防げるという点で共通していました。
これまで先進的な海外の銀行アプリを数多く見てきましたが、個人的には一番日本でも実装してほしいと感じた機能です。もしどこかの銀行が実装したら、まだ使っていないところでも、すぐに口座を開設してしまいそうです。
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