地方銀行のWebサイトは、毎日訪れるメディアというよりも、顧客が何かを知りたいとき、困ったとき、手続きをしたいとき、相談したいときなど目的があるときに訪れる場所です。そうした場所だからこそ、商品や手続きの情報をただ並べるだけでなく、訪れた顧客が「次に何をすればよいか」わかるように設計されているかどうかが重要になります。
たとえば、よくある困りごとへの答えをすぐ出せるか、探している情報へ迷わずたどり着けるか、商品名ではなく顧客の目的や悩みから相談に入れるか。こういった工夫が積み重なると、Webサイトは単なる情報掲載の場ではなく、顧客の行動を支援する接点へと変わります。
今回は、そうした観点でWebサイトの設計に工夫が見られる地方銀行4行のトップページを取り上げます。
三十三銀行
三十三銀行のトップページでは、「届出の住所を変更したいです。」といったFAQの一部をボタンとして表示しています。知りたい質問をタップすれば該当するFAQページに遷移できるため、顧客はサイト内を探し回ることなく解決策を見つけることができます。
結果、問い合わせや来店に至る前にWeb上での問題解決を後押しでき、顧客体験の改善と業務効率化を同時に図れる設計です。
横浜銀行
横浜銀行のトップページには、セカンドビューにサイト内検索用の検索窓が設置されています。知りたい情報をキーワードで検索すると関連するページに直接遷移でき、情報量の多い銀行サイトでも顧客が目的のページにたどり着きやすい設計です。
また、検索欄をタップすると口座開設などの主要な手続き・サービスへの導線が表示されるほか、入力途中でも予想される検索結果や検索キーワードがサジェストされるなど、顧客の入力負荷を軽減する工夫もなされています。
ナビゲーション構造に頼らず目的のページへ誘導できるため、顧客体験の改善が期待できる設計です。
北陸銀行
北陸銀行のトップページには、他行と同様に商品やサービスへの導線が設けられています。ただし、一般的には「住宅ローン」など商品・サービス名が使われる一方、北陸銀行では「家を購入したい」といった顧客のニーズをボタンの文言に使用しています。これにより、どの商品・サービスを選べばいいかわからない顧客でも自分の目的に沿った情報を得やすくなります。
ボタンの文言という細かな箇所ですが、こうした工夫があることで、金融知識の浅い顧客でも自分のニーズに合った商品・サービスへたどり着きやすくなります。結果的に商品・サービスの利用を後押しでき、顧客と銀行双方にメリットのある設計です。
北國銀行
北國銀行のトップページでは、「予約はこちら」というボタンがファーストビューに設置されています。このボタンから次の画面に遷移すると、目的ごとにWeb手続きや来店予約、オンライン相談予約などへの導線が表示されます。
これにより、顧客は自身の目的や希望に合った方法で手続きをスムーズに進めることができます。さらに、Web手続きの利用促進や来店予定・目的の事前把握など窓口対応の効率化が期待でき、銀行側にとってもメリットの大きい設計です。
まとめ
今回は、Webサイトを顧客接点として活用している地方銀行4行をご紹介しました。よくある困りごとをトップページ上に出して自己解決を促すもの、検索によって必要な情報へ誘導するもの、商品名ではなく顧客の目的や悩みから相談につなげるもの、オンライン手続きと来店・相談を適切に振り分けるものなど、そのアプローチはさまざまですが、情報を並べて顧客に探してもらうだけではなく、銀行側が顧客の状況や目的を想定し、次の行動を取りやすくしているという点が共通していました。
地方銀行のWebサイトは、顧客が毎日使う場所というよりも、何かを知りたい、手続きをしたい、相談したいなど、目的を持って訪れる場所です。だからこそ、今回見た4行のように、訪れた顧客が自分の状況に合った情報を見つけ、次の行動へスムーズに進めるように設計されていることが重要になります。
店舗や人員の削減が進むなかで、地銀にとってWebサイトの役割はますます大きくなっていきます。Webサイトを「情報を掲載する場所」としてだけでなく、顧客の困りごとを解決し、必要な相談や手続きへつなげる接点としてどう設計するか。その視点が、今後の地銀サイトではより重要になってきそうですね。






