ユーザーの意見を数分程度の設定で収集できる

PopinsightのユーザーテストEXPRESSのようなクイックなユーザーテストが行えるサービスは、手軽にユーザーのインサイトを集められる優れたサービスです。運営側が気が付けないようなWebサイトの分かりにくい点や誤解を招いている箇所などをユーザーから手軽に聞き出せます。
PopinsightのユーザーテストEXPRESS

従来のユーザーテストやアンケートなどと比べた場合のメリットは、テスト実施までの手間が大幅に少ない事です。ユーザーテストEXPRESSでは、ものの数分程度の設定でテストを開始できます。
また、実施費用も格安ですので、手軽に実施できることも大きなメリットとなります。

うまく活用するためのコツは、ユーザーの意見をそのままに受け止めないこと

これらのツールを、有効に活用するためには、いくつか注意したい点があります。
そのひとつとしては、ユーザーの言っていることをすべてそのまま言葉通りに受け取らない事です。

ユーザーテストの弱みとして以下のような事がありますが、どんな調査手法も完璧ではありませんので、調査手法としての前提を頭に入れた上で情報を解釈していくことが必要です。

  • テストという環境であるため、自然な状態ではない(何か課題を発見して言わないといけないという心理が働きやすい)
  • 発言の裏にある本当のニーズがうまく言語化できていないケースがある(そもそも無意識のうちに判断していることもある)
  • 発言の重みづけが分かりにくい(ボトルネックとなり得るものなのか、利用に支障はないものの気が付いたから言っただけなのかは分かりにくい)

ユーザーの発言理由の分析によって、施策の方向性が決まる

改善施策の方向性を間違えないためには、上記のようなユーザーテストという調査の特性をふまえ、ユーザーの発言をそのまま受け取らず、なぜそういった発言が出たのかを考えることが重要です。

分かりやすい例で言いますと、例えば「文字が小さい」という意見があったときに、単純に文字の大きさ自体が課題となっているケースは、これまでの経験上はあまりありません。
実際には、行間が狭いという事であったり、見出しなどが機能せず、文字量が多く見えて読む気にならないという状況に対して「文字が小さい」という発言が出るケースがほとんどです。

オンラインユーザーテストの場合、ユーザーのマウスの動きや発言を記録した動画を見ることができますが、行動や発言の流れの中で推測できる事も多くあります。
また、オンラインユーザーテストのようなサービスの場合、機能として発言録的なものも用意されていて非常に便利ですが、言葉がきれいに整理されているため、行間を読むことはできませんので、面倒がらずに動画を見て、ユーザーがなぜそういった発言をしたのかを文脈の中で考える事が非常に重要です。

また、この解釈(分析)によって、改善施策の方向性が変わってきます。
先ほどの「文字が小さい」という発言においても、解釈(分析)によって改善施策がまったく変わってきます。発言をそのままにとらえてしまうと「文字を大きくすること」や「文字サイズを拡大できる機能を搭載する」といった施策となってしまいますが、解釈(分析)しだいでは、文章の内容を図解する、ですとか、箇条書きにする、見出しをうまくつける、といった施策となります。

ユーザーの声の重要度づけを行う

テストを開始するとユーザーの意見がすぐに集まってきます。すでに認識できていたような意見から、気が付いていなかったような意見までいろいろとあがってきます。
このとき、注意したいのは、どうしても気づきの質としてインパクトが大きいものに目が行ってしまいがちとなることです。
納得度が高い意見や、目からうろこのような意見に惑わされることなく、重要度を意識して見ていくことが大事になります。

  • 類似の発言や、関係性がありそうな発言の数はどうか
  • 複数の発言に対して、改善施策が同じものがあるか
  • 目標達成に対して貢献度の高そうなものかどうか
  • 実際にサービスを利用しているユーザーの意見か、もしくは初めてサイトに訪れたユーザーの意見か

といった観点から、分類、整理することで重要度づけを行うと良いでしょう。「なるほど!」と思った意見に対して、やみくもに施策を打っていっても、良い成果は得られない可能性が高いでしょう。

こうした事を理解した上で、ユーザーの声をうまく活用できれば、Webの改善につながる可能性が高くなります。とにかく安価に素早くユーザーの意見を収集できますので、Webサイトの改善にはこういったサービスをうまく使いこなす技術が重要です。

まとめ

  • ユーザーテストEXPRESSを使うと、ものの数分の設定でユーザーのインサイトを集められる
  • 有効に活用するために注意する点としては、ユーザーの言葉をそのままにとらえないこと
  • ユーザーがなぜそういった発言をしたのかをサイトや動画を見ながら考える
  • ユーザーの声を、分類、整理し、重要度づけを行う