Googleアナリティクスを利用することにより、様々なデータを簡単に得られるようになりました。
ただし、その数値を見て、良いことなのか良くないことなのかについて判断が難しい場合があります。
例えば、ページビューなどの主要な指標ひとつにしても解釈や考え方しだいで評価が変わってしまうものもありますし、実際にお客さまからもどう判断すれば良いのかご質問をいただくケースも多くあります。

正しく評価するための解釈の方法については、以下の3つのような方法があると思います。

  • ページの目的に応じて解釈する
  • 数値の構成要素に分解して解釈する(流入数/流出数、デスクトップ/モバイルなど)
  • 相対的に解釈する(自社内の他のページ/競合の類似ページ/時系列など)

以下に、この解釈の仕方について詳しく書かせていただきつつ、Googleアナリティクスの数値の解釈や考え方について書かれている記事をご紹介させていただきます。

<PV>ページビューは多い方が良いのか?

PVは本当に多い方が良いのか、という疑問に対してはページの内容によりますという回答になってしまいます。
最終的に見てもらいたいページのPVが多いことはポジティブな方に判断できるケースが多いでしょう。
逆に、ナビゲーションなどの構造上、PVが多くなっているケースについては一概に良いこととは言えません。コンテンツやWebサイトの構造に応じて解釈することが必要となります。

また、ページ間の比較、時系列での比較により相対的に見て分析することで改善施策につながるケースもあります。
例えば、どのページから問い合わせページに遷移しているかを見た際に、特定のページから遷移するケースが多いようであれば、そのページの内容によっては気づきが得られる場合もあるでしょう。
また、あるページのPVだけが伸びているという事実がつかめれば、そのページに対してユーザーの関心が高まっていることが考えられ、そこから何かが見えてくるかもしれません。
※相対的に比較する際には、特定の理由で突発的にPVが増えている箇所は除外した方が良い場合もあります。こういったことに注意しないと間違った解釈となってしまいますので注意しましょう。

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Webサイトを「ページビュー」だけで評価したらダメな理由/キノトロープ
数値に惑わされないアクセス解析【ページビュー数編】/カルテットコミュニケーションズ

<直帰率>健全な直帰と、課題となる直帰を考える

次は、直帰についてです。
直帰率が高いということはネガティブにとらえられることが多いと思いますが、ページごとに考えた場合については、特にトップページや目次のような役割を担うページの直帰率が高い場合は問題と言えるでしょう。
ただし、一発で目的のページにたどり着き、そこで目的を達成したためにサイトを去ったという考え方ができるページについては、その部分においては直帰率が高いことも問題ではないのかもしれません。

直帰率自体が高い低いという議論もありますが、相対的に見たときに直帰率が高くなっている(もしくは低いということも?)ことに対して仮説を持ち検証することが重要かと思います。
例えば、直帰率が高いという事実に対し、流入時の検索キーフレーズと着地ページとの間でミスマッチが起きているのでは、という仮説を持って検証していく事が重要でしょう。

また、直帰率は重要な指標として活用されることが多いですので、直帰を定義し細かく設定することも必要性を増してくるでしょう。
初期設定の状態では、1分ページに滞在しても、ページの一番下まで読んでいたとしても、そのページで去ってしまえば有無を言わさず直帰になってしまいます。
直帰の本来の意味合いを考えて、ページに訪れて一瞬で去っていった人だけを直帰という状況として定義し、設定を行うのが良いのかもしれません。

また、流入時のキーフレーズごと、流入元ごと、着地ページごとに直帰の状況を調べることで、悪い直帰を見つけ出すことも重要でしょう。

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直帰率の目安は何%?/siteFrameNote

<離脱率>離脱率が高いページは問題があるの?

ページの離脱率についても、目的を達成できたからそこで去る人が多いのか、探している情報に到達できないために先に進むのか、こういった観点でページの内容ごとに考えながら数値を読むことが重要かと思います。
おおまかな考え方としては、次に進んでもらいたいページが明確にある場合、離脱率が高いことは問題となりますが、サイト訪問の目的となり得るページであれば問題とは言えない、という考え方ができると思います。
ただし、離脱率が高くても問題が無いようなページでも、欲を言えば他のコンテンツの回遊につなげたいという意向がないわけではないと思いますので、サイトの目的次第という事も言えるかと思います。
特定の情報を調べる目的で訪問したユーザーに対し、訴求したい情報や最新情報を見ていただきたいといった事もあり得ると思いますので。

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離脱率に仮想ページビューやイベントトラッキングの影響はあるのか?/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

<滞在時間>ページごとの滞在時間をどう考える?

PVや直帰率と比べると少し地味な指標の滞在時間についてですが、あるページに長くとどまる状態というのはどういった状況と考えられるでしょうか?
この答えもやはりページごとに違う、という答えになってしまうと思います。
ページ内容にボリュームがあれば滞在時間が長くなることもあるでしょうし、振り分け機能をメインとしたページでは短くなるのは自然なことです。

滞在時間が長い方が良いと考えられるページにおいて、なぜ長い方が良いかというと、おそらくは以下のようなユーザーが少ないこと(により平均が下がっていない)が考えられるためでしょう。

・期待していた内容と違っていたためにすぐに別のページに移動した。
・メニューの文言が分かりにくいために、手当り次第にメニューを押すユーザーが多い。

ページ個別に考えると言ってもあまり個別に考えすぎても、全体の傾向が見えませんので、 サイトに応じて以下のようなかたちでページごとに分類して滞在時間を評価するのが良いかもしれません。

滞在時間が短い方(短くなること)が良いと判断するページ(例)
・目次のような振り分けページ(インデックスページなど)
・何らかの一覧ページ(目的の情報に到達できるという意味で)

滞在時間が長い方(長くなること)が良いと判断するページ(例)
・商品ページ
・読み物ページ

また、ページ内に外部サイトへのリンクが多かったり、別ウィンドウ遷移が多いサイトなどでは、遷移元のブラウザが残ってしまうため、元のウィンドウに戻った際に滞在時間の計測が続行してしまい平均を押し上げる結果となっている可能性などもあり、判断が非常に難しくなりますので、数値の算出方法を正しく理解しておく必要があります。
もうひとつ、注意すべき点としてはページの滞在時間については、直帰したページは滞在時間がゼロ秒とカウントされてしまうため、直帰率が高いページでは滞在時間が低く出ますので注意が必要です。厳密に滞在時間を計測したい場合は、直帰を除いた滞在時間を見ることも考えられます。

参考になる記事

Webページにおけるユーザーの滞在時間/ニールセン博士のAlertbox
Googleアナリティクスの滞在時間をナメてるすべての人へ/虎の巻ブログ
別ウィンドウで遷移した時の「滞在時間」について/TAMテクニカルチーム Tips Note