こんにちは!ヒカリナ学生インターンの町山です。
海外金融アプリのサービスやUIについて感じたことをシリーズ化して発信しています。
第5回目の今回は、おつり投資と教育コンテンツが特徴的な少額投資アプリ「Acorns」をご紹介します。
初心者にやさしい「おつり投資」と「教育コンテンツ」
Acorns(エーコーンズ)とは、2014年からアメリカでサービス提供を開始した少額投資アプリです。
- 投資
- 預金口座と連携のデビットカード
- 金融教育コンテンツ
の大きく3つのサービスを提供しています。
少額から始められるおつり投資
投資サービスには、自動で投資ができる機能が複数あります。
中でも有名なのが、おつり投資機能です。
手持ちのクレジットカード・デビットカードと連携させ、設定しておくと支払い時におつりを自動で投資に回せます。
質問に答えると適切なポートフォリオが提案されるので、投資商品を選ぶ必要はありません。
おつりが5ドル貯まると投資商品が購入されます。
おつり投資の設定はカスタマイズ可能で、Whole Dollar Round-Ups® investmentsという機能で切り上げる額の調整(例えば、$1.25の買い物をしたときに$0.75投資に回すか、$0.25回すかなど)をしたり、Round-Ups® Multiplyerという機能でおつりの2倍、3倍、…10倍の額を投資するなど、好みに合わせて細かい設定ができます。
また、給料を自動で各口座に割り振ってくれる機能もあり、預金口座に給料が振り込まれた際、給料のうちあらかじめ設定した割合の分だけ、預金口座から各投資口座に自動で振替ができます。
他にも、最低5ドルから毎日、毎週、毎月など定期的に積立投資をすることも可能です。
様々なニーズに応える目的別投資口座
Acornsでは、目的別に
- Invest : おつり投資ができる一般的な投資口座
- Later : 老後の資金を積み立てる個人退職口座(IRA)
- Early : 子どものための投資口座
の3種類の投資口座を作ることができます。
中でも子どものための投資口座は、保護者が未成年の子どもに代わって資産運用をし、子どもが成人した時に簡単に譲渡できるもので、子どもの年齢に合わせたポートフォリオが用意されています。
投資方法は単発の投資、積立投資、ギフトでの投資の3種類です。
また、家族向けの金融教育書籍(デジタル版)を無料で読めるサービスも用意されています。
一方、類似サービスを提供するStockpileでは、子ども自身が投資を体験することができます。
Acornsでは子どもが直接投資をすることはできないので、子どもに体験してほしい保護者にはStockpileも選択肢の一つかもしれません。
ユーザーの金融リテラシーを育てる教育コンテンツ
Acornsのアプリでは、投資に関する情報やAcornsの活用方法などが書かれた記事、レッスン動画やクイズなど、様々な形式のコンテンツが提供されています。
これに加え、公式サイトには投資や貯蓄についての記事、複利計算機などのツールを始め、投資に便利なコンテンツを様々公開しています。
アプリユーザーに限らず、多くの人の金融リテラシー向上を支えるサービスだと感じました。
AcornsのアプリUI
ここからは、アプリのUIについて紹介します。
Acornsアプリは、Home、Invest、 Bank、Learn、Earnの5つのタブで構成されています。
各機能にアイコンがついており、誰でも直感的に使えるよう工夫されている印象です。
グリーンで統一された柔らかい雰囲気や、Acorns(どんぐり)を思わせる森のイラストや葉っぱのアイコンで、初心者にも親しみやすいデザインになっています。
では、主要な画面を詳しく見ていきます。
Home画面 : 資産の状況がまとめてわかる
まずは、Home画面です(アプリ画面はGoogle Playに掲載されている1枚目の画像を参照ください)。
こちらでは、
- Invest : おつり投資ができる一般投資口座
- Later : 個人退職口座(IRA)
- Bank : 預金口座
- Early : 子どものための投資口座
が表示され、Acorns内の資産状況が一度にわかるようになっています。
また、View Potential画面では、現在の投資設定での資産予測が確認できます(アプリ画面は公式サイトをご参照ください)。
投資設定を変更した場合の資産シミュレーションもできるので、金額設定の参考になりそうです。
Invest画面 : 運用状況と自動投資設定を一元管理
次に、一般投資口座の資産状況や投資設定ができるInvest画面を見ていきましょう(アプリ画面は公式サイトをご参照ください)。
画面上部には評価額と推移グラフが表示されており、運用状況が確認できます。
画面中央の黒丸では、おつり投資の設定(Round-Ups)、単発での投資(One-time)、お金の引き出し(withdraw)ができます。
その下の3つのメニューでは、ポートフォリオのタイプやおつり投資の設定、積立投資の設定ができます。
まとめ
今回は、おつり投資アプリ「Acorns」のサービスとアプリUIについてご紹介しました。
注目したいポイントは、
- 柔らかな印象を与える優れたデザイン性
- 複数口座の情報もわかりやすくまとめられている
「大きな樫の木(Oak)も小さなどんぐり(Acorns)から育つ」 ということわざのように、1ドルにも満たないおつりをコツコツ貯めながら、資産をじっくり育てていくことができそうなアプリだと思います。