海外の家計管理や資産管理のサービスをはじめ、海外の金融/fintechサービスについてジャンルごとにまとめてみました。

1) 家計管理サービス ・家計管理に特化したアプリ
・資産管理に特化したアプリ
・エンベロープ型アプリ
・予算管理に特化したアプリ
・資産と家計両方管理できるアプリ
・家族・カップル向けアプリ
2) こども関連金融サービス
3) ロボアドバイザーサービス
4) 少額投資サービス

1) 家計管理サービス

日本ではマネーフォワードのような家計管理アプリがありますが、海外にも家計管理アプリがたくさんありますね。

〈 家計管理に特化したアプリ 〉

Mint

ミントはアメリカで最もダウンロード数の多い個人向け家計管理アプリです。
金融口座やクレジットカードを連携させて、簡単に収支の確認、予実管理ができます。銀行、証券口座などオンラインにある金融口座さえ連携させてしまえば、あとは自動で収支計算をしてくれて、収支に基づいた予算も勝手に計算してくれます。

Status Money

2016年にニューヨークで設立された個人向け家計管理アプリです。
収入や年齢、住んでいる地域、家の所有の有無、クレジットスコアなどの資産状況が似た人と、支出の流れを比較できるのが特徴です。有料プランでは、ファイナンシャルアドバイザーとのビデオチャットができるサービスも提供しています。

Money Dashboard

支出の追跡と予算編成に焦点を当てた個人向け家計管理アプリです。
金融口座を連携させると、取引履歴を自動で分類し、毎月の支出を確認できます。アプリを介してアカウント間で送金できる機能もあります。

Rocket Money(旧:Truebil)

500万以上のユーザーを保有する、2015年設立の個人向け家計管理アプリです。
未使用のサブスクリプションの支払いを停止したり、請求額を減らしたりすることで、ユーザーのお金を節約するように設計されています。

Quicken Simplifi

ニューヨークタイムズが運営するサイト「Wirecutter」でBest Budgeting Appに選ばれた家計管理アプリです。
銀行口座を連携させると、自動的に支出を分類し、請求書とサブスクリプションを確認してくれます。

Wally

銀行口座を連携させて、すべての財務を1か所で確認できるアメリカの家計管理アプリです。
搭載のAI「WallyGPT」を使って、ファイナンシャルプランニングや金融について学ぶこともできます。

〈 資産管理に特化したアプリ 〉

Empower Personal Dashboard(旧:Personal Capital)

日々の支出からポートフォリオのパフォーマンス、退職後の貯蓄まで、ユーザーの財務状況全体を把握、サポートしてくれる個人向け家計・資産管理アプリです。
金融口座を連携させて、簡単に収支や投資状況の確認をしたり、リタイアメントプランニング(老後資金計画)をすることが可能です。家計管理というよりは資産管理の色が強く、ライフプランに沿った将来設計・資産管理まで総合的で長期的なサービスを受けることができます。

〈 エンベロープ型アプリ 〉

Qube Money

袋分け貯金と家計簿とVisaデビッドカードの機能を一体化させたようなアメリカの個人向け家計管理アプリです。
使う目的ごとに資金を振り分けられる予算設定機能があります。金融口座の連携などは行わず、アカウントに紐づいたデビッドカードとアプリだけを使用して簡単に毎月の予算決めと支出管理を行え、複数の人が同じアカウントに接続できるファミリープランや、カップル向けプランもあります。

Goodbudget

予算を決める過程を一緒に共有したいカップルに最適な、封筒貯金を基にしたアメリカの個人向け家計管理アプリです。
予算をさまざまな形式(Web、iPhone、Android)で共有および同期できるため、家計管理をを共有したいカップルに最適ですが、個人でも利用できます。カテゴリ別の予算(アプリでは「封筒」と呼ばれます)は最大10枚の「封筒」を無料で利用できます。

〈 予算管理に特化したアプリ 〉

YNAB

クレジットカードや銀行口座などオンラインにある金融口座を連携させれば、取引履歴や残高など自動で確認・管理できるアメリカの個人向け家計管理アプリで、予算管理に特化したサービスです。
1ヶ月の任意の予算(家賃・食費・貯金など)をあらかじめ決めて、収入を全て予算に割り当てていき、その予算に沿って生活していけば、自然と貯金が増えていくという仕組みになっています。

EveryDollar

有名な金融専門家のDaveRamseyによって作成されたアメリカの個人向け家計管理アプリで、予算管理に特化したサービスです。
銀行口座を連携させて、すべての収入を必要な予算に割り当て、その予算に沿って生活すると貯金が増えていくという仕組みになっています。

〈 資産と家計両方管理できるアプリ 〉

Emma

銀行口座やクレジットカード、投資口座を連携させることで、リアルタイムに口座情報を取得でき、取引履歴も簡単に確認できるイギリス発祥の個人向け家計管理アプリです。
「お金の追跡、投資、送金、節約」を支援するために設計されており、スムーズなユーザーエクスペリエンスもユーザーから評価を得ているようです。

Claro Money

銀行口座を連携することですべてのオンライン取引を1か所で確認できる個人向けのイギリスの家計管理アプリです。
ファイナンシャルコーチングサービスを提供しており、ファイナンシャルコーチと話をして、明確な財務目標を設定することができます。貯蓄アプリ、ファイナンシャルコーチングアプリ、投資アプリの3つの役割を果たしています。

Plum

銀行口座を連携させると、人工知能を利用したアルゴリズムを使用して、どれだけ節約できるかを自動計算してくれるイギリスの個人向け家計管理アプリです。
12種類の投資ファンドに£1から少額投資も可能で、投資、支出分析、自動貯蓄など、複数の機能がアプリに統合されています。

Moneyhub

クレジットカード、銀行口座、借入、投資、貯蓄を1か所で確認・管理できるイギリスの個人向け家計管理アプリです。
取引履歴から毎月の支出を分類してくれて、支出目標に対する進捗状況も確認できます。ファイナンシャルアドバイザーにからアドバイスを受けられるサービスもあります。

〈 家族・カップル向けアプリ 〉

Firstly

個人や家族の貯金を増やし、家族間で月々の予算を共有できるアメリカの家計管理アプリです。
金融口座を連携させれば、取引履歴や残高など自動で確認・管理できます。個人だけでなく、パートナーでも、祖父母や子供でも、カップルや家族の資産全てをひとつのアカウントで管理することができるのが特徴です。

Honeydue

個人とパートナーの銀行口座やクレジットカード口座、投資口座をアプリに連携させれば、一箇所でお互いの収支の確認ができるアメリカのカップル向け家計管理サービスです。

Zeta Joint Account

パートナーや配偶者と収支の確認や予算編成を共有することに焦点を当てたアメリカのカップル向け家計管理アプリです。
金融口座をアプリに連携させて、収支の確認や予算の管理、目的別の貯金などを個人で行えます。PiermontBankと提携して、 2枚のデビットカードが付属する共同銀行口座を提供しています。

Qapital

個人および共有の支出を1つの場所に表示し、アカウントの残高や取引履歴など、パートナーと共有することに焦点を当てたアメリカのカップル向け家計管理アプリです。
貯蓄に特化したアプリで、住宅購入や旅行など貯金目標を無制限に立てられます。

2) こども関連金融サービス

日本では子ども関連の金融サービスはまだまだ少ないように思います。海外の子ども関連の金融サービスはどういったものがあるか、それぞれ見てみましょう。

Greenlight

子供向けのデビットカードを提供しています。親はお小遣いやお金を子供のデビットアカウントに送金でき、子供は日常の支出にデビットカードを使用して、お金を管理する方法を学ぶことができます。
親子ともに支出管理ができ、子どもがカードを使えば親に通知がくる仕組みになっていて、使えるお店を限定することも可能です。子供たちがお金を稼ぐ、節約する、使う、投資する方法を学べるように設計されており、米国で400万人以上の親子が利用しています。

Osper

8~18歳の子どもを対象に、プリペイド式デビットカードを提供しています。
親がプリペイド式デビッドカードにチャージした金額に限り、子どもはカードで支払ったり、ATMで現金を引き出したりできる仕組みで、子供は自立した消費行動を行うことができます。親子ともに、モバイルアプリから利用履歴が確認できるため、何にお金を使い、計画的に貯蓄できているかを確認できます。

Revolut <18

6歳から17歳まで始められるイギリスRevolutの子ども向けアカウントです。金融スキルの習得を支援するように設計された子供向けのアプリで、プリペイドデビットカードを使用して、親が子どもの支出管理、お金の使い道を管理し、見守ることができます。利用には、保護者もしくは13歳以上の子ども自身がRevolut<18アプリでアカウントを作成する必要があります。

Bluebird

American Expressが提供するブルーバードカードは、FDICが保証する、当座預金口座のように機能し、銀行口座を持たない顧客向けのプリペイドカードです。
ユーザーが13歳以上の子供向けに、サブアカウントと呼ばれる同じアカウントで別々のカードを持つことができるため、家族での利用にも適しています。親が家族の支出を管理するのに役立つ使いやすいモバイルアプリもあります。

Till Financial

子供たちに経済的自立をもたらし、より賢い消費者に育てたいと考えている親のためのファミリーバンキングです。
Coastal Community Bankと提携して、銀行サービスとデビットカードを提供しており、親子共にアプリで出費管理ができます。アプリ内で子供が貯蓄の目標を設定し、お手伝いをして稼ぎ、貯蓄や欲しいものを買うという消費習慣を学ぶことができます。

BusyKid

プリペイドカードが発行され、子供のカード取引を親が確認・管理できるアプリ。
子供はBusyKidを通して社会でのお金の使い方を実体験することができます。親からもらうお小遣いはプリペイドカードにチャージされて受け取り、好きなものを買うときはカードで決済するといったお金の使い方を体験できます。金融リテラシー向上を目的としたアプリです。

EarlyBird

2019年に設立されたフィンテックギフトプラットフォームです。
親あるいは「保護者」が未成年口座を開設し、未成年の子どもに代わって株や債券、投資信託、その他の証券などに投資できるサービスです。ロボアドバイザーを使用して、Uniform Gift to Minors Act(UGMA)アカウントを提供します。子供の年齢、投資目標、期間、リスク許容度に合わせてポートフォリオを調整することもできます。

3) ロボアドバイザーサービス

次は、海外のロボアドバイザーサービスです。

Stockspot

2014年にオーストラリアで設立された、投資家のリスク管理のニーズに合わせて投資アドバイスを提供するロボアドバイザーです。
ETF・株・金・債券で構成されたスマートなカスタムポートフォリオを構築します。アルゴリズムベースでの資産運用に関するアドバイスを提供しており、$2000からという少額での投資からスタートできます。

Acorns

「誰でも富を増やすことができる」がコンセプトのおつりを貯金して投資ができるアメリカのアプリ。
Acornsは登録したクレジットカードやデビッドカードで決済を行うときに生じる1ドル以下の端数(0~99セント)のおつりを貯金することができます。おつり貯金が5ドルに達したら、Acornsの投資口座に自動送金されて、リスク許容度に応じたポートフォリオで運用してくれます。AIを活かし、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、ロボアドバイザーが最適なポートフォリオ(資産運用プラン)を提案してくれます。

Betterment

2008年アメリカで創業のロボアドバイザーを初めて開発、実用化したロボアドの先駆者です。
通常の投資プランの利用料は残高の年0.25%~、最低投資額は0ドルとハードルが低く、資産運用のプロから個人的なアドバイスを受けられるプレミアムプランでも、利用料年0.4%~と低コストです。資産運用のおまかせサービスに加えたプロのアドバイス、というロボット×人間のハイブリッド型の投資サービスを提供しています。

Nutmeg

イギリスのロボアドバイザーサービス最大手。リスク許容度に応じて、10個のポートフォリオから投資先を選択できます。
金融の専門家がロボアドを活用し、ロボアドと人間のアドバイスを組み合わせた「ハイブリッド型」のサービスを低コストでオンラインで提供しています。

Wealthfront

アメリカのロボアドバイザーサービス最大手。リスク許容度に応じて質問に答えるだけで、ユーザーに合ったポートフォリオを提案してくれるので、手軽に分散投資を始めることができます。59万人以上のユーザーがおり、手数料は0.25%と低コストなのが特徴です。

Moneyfarm

2011年に設立されたイタリアの金融コンサルタント会社。個人投資家向けにロボ・アドバイザー型の資産運用サービスを提供しています。
質問に答えると最適なポートフォリオが提案され、アドバイザーにチャットで相談ができます。最少投資額は500ユーロ、毎月100ユーロ以上の積立が必要です。

Wealthify

イギリスを拠点とするロボアドバイザーで、ETFに投資してユーザーの投資管理コストを最小限に抑えます。
ユーザーのリスク許容度に応じて、アルゴリズムを使用して最適なポートフォリオを作成してくれます。

4) 少額投資サービス

次は少額投資サービスです。

Stockpile

5ドルから投資できるアメリカの少額投資アプリ。
S&P 500のすべての株式を含め、数千の株式とETFを取引できます。オンラインのeギフト、またはギフトカードで株をプレゼントできるのが特徴です。保護者の承認を得て、未成年でもアカウントを作ることができます。

Trading 212

手数料なしで1£から株式に投資できるイギリスの少額投資アプリサービスです。
分散投資を薦めており、10,000以上もの株式・ETFから、選択してポートフォリオをカスタマイズすることができます。

Stash

誰でも投資家になれるをコンセプトに、最低5ドルから株式やETFなどに投資することができます。
いくつかの質問に答えると、リスク許容度や属性を分析してくれ、その情報を参考にユーザー自らが投資先を組み合わせてポートフォリオを構築します。株式を購入する際の単位や価格が大きい、専門的な知識も必要という課題を解決してくれるサービスです。

Robinhood

手数料ゼロのアメリカのオンライン証券。株価の高い株式でも、1ドルから購入することができます。証券取引手数料なしで売買を行える点が最大の特徴で、ゲーム性のあるUIで若い世代や投資経験の少ないユーザー向けのアプリです。

eToro

2007年に設立された、イスラエルのフィンテック企業です。暗号通貨をはじめ、限られた種類の株式と上場投資信託(ETF)にアクセスできるオンライン仲介プラットフォームを提供します。10ドルから暗号通貨、株式、ETFの取引を開始できます。他のトレーダーの戦略をコピーできるソーシャルトレーディングのような革新的な機能もあります。

Webull

わずか5ドルでお気に入りの企業やETFに投資できるオンライン証券会社です。
手数料無料で株式、ETFの端株を購入ですることで少量の投資を始めることができます。株式はアメリカ株のみの取り扱いで、チャート分析や株式選択(Stock Screening)のためのツールが充実しています。暗号通貨の取り扱いもあり、5ドルから購入することができます。