ノーコードでWebサイト制作が可能なSTUDIOで、できないこととできることをまとめ直しました。
2024年4月最新版です。

STUDIOはWebサイト制作ツールでは珍しく国産なので、日本人にとってインターフェースなども理解&操作がしやすいサービスだと思います。 サポートも、マニュアルも動画も日本語なので、英語に苦手意識がある方もすんなり取り組めるのも魅力です。Webサイト制作の選択肢にSTUDIOを検討している制作会社さんや事業会社さんの参考になれば良いなと思っております。

※この記事は2022年に作成したものを最新の内容に合わせてリライトしています

STUDIOでできること

STUDIO導入の検討段階では何がどこまでできるのかも手探りの状態だと思います。
また、以前はSTUDIOではできないと言われていたことも、ずいぶんできるようになっています!
改めてご紹介します。

自社での更新ができる

ノーコードのSTUDIOなら、テキスト修正や画像の差し替えなどの更新を制作会社に依頼せず、自社で完結することが可能です。

簡単なテキスト変更でも、制作会社へはスポットで費用が発生しますし、依頼のやり取りなどで自社のリソースも使います。

あらかじめ更新が入るような箇所は、STUDIOでのサイト構築時に制作会社に伝えておけば、更新しやすいようなデザインや構造で作成してくれると思います。
またこの後出てくるCMSを活用するのも良いと思います。
とは言っても、デザインの大幅な変更などは、制作会社に依頼するのが良いでしょう。
この場合のリニューアル費用も、通常のHTMLやWordPressのサイトに比べて安価に収まる可能性が高いと思います。

開発不要でフォーム作成ができる

STUDIOでは簡単にフォームを作ることができます。

入力欄はもちろん、ラジオボタン、チェックボックス、セレクター、ファイル添付も可能です。必須と任意の項目も設定できます。
送信内容の確認ページは標準ではありませんが、カスタムコードを使えば可能です。また、完了ページも表示できます。

送信されたデータはSTUDIOプロジェクト内のダッシュボードで確認でき、また担当者にメール転送も可能です。
また外部連携機能としてスプレッドシートに連携することも可能です。スプレッドシートに連携すると、Zapierというアプリを使いフォーム送信者に自動返信メールを送ることもできます。

フォームの基本的情報
・フォーム回答の表示制限ですが、プランによって異なります。
FREE:100 件まで
Starter(旧:BASIC):1,000 件まで
CMS、Business(旧:PRO):10,000 件まで
ダッシュボードでの表示件数なので、対応が済んだものやスパムなど不要なものを削除していけば十分な件数ではないでしょうか。
また、表示制限を超えた分の回答もサーバーには保存されています。
表示件数が上限を超えた後の回答はダッシュボードで回答を削除すると、見れなかったデータが見れるようになります。
1つ注意があり、1つのプロジェクトで1日に5,000件を超えて受信することができません。
この制限を超えた分はサーバーにも保存されません。大量のメール配信などで回答を得る場合、注意が必要です。

デザインはinputやセレクタは色や大きさなど、自由にカスタマイズ可能ですし、ホバーやフォーカスの状態も設定できます。
チェックボックスやラジオボタンはSTUDIO標準では大きさくらいしか変更できないので、カスタムコードで対応しましょう!

・ダッシュボードで対応のステータス管理ができる
回答の対応をステータス管理できます。
デフォルトでは「未対応、対応中、完了、ゴミ箱」の4つですが、名称の変更や追加削除もできるので使いやすいようにカスタマイズ可能です。
フォームの結果をSTUDIOのダッシュボードに残さないということも可能です。
この設定はプロジェクト内のすべてのフォームに適用されるので、特定のフォームだけ残さないようにしたいということはできません。

・複数のフォームが持てる
1つのプロジェクト内で、複数のフォームを持つことができます。
たとえば「お問い合わせ」「採用応募」「アンケート」など。
フォームは複数持てますが、ダッシュボードでの回答の表示制限は回答の合計数です。

・回答のキーワード検索が可能
回答のフリーワード検索が可能です。日付の降順昇順や、ラジオやチェックボックスの場合、特定の回答をソートできます。

・Google reCAPTCHA v3の設置
不正なbotなどからフォームを守るGoogle reCAPTCHA v3が設置できます。
こちらはプロジェクトに対して設定するため、プロジェクト内のすべてのフォームに有効になります。(特定のフォームにだけ設置はできません)
※STUDIOではGoogle reCAPTCHA v2 は設置できません

・HubSpot Trackingの埋め込み
HubSpot Tracking idをダッシュボードの画面で入力するだけで連携可能
※プレビュー環境では動作しません

・外部フォームの利用
すでに外部のフォームプラットフォームを利用中の場合、「formrun」や「Googleフォーム」を埋め込みすることも可能です。
また、STUDIOのフォームではメール配信の機能やメール配信システムの連携はできません。フォームから得たメールアドレスに対してメルマガ配信などを行いたい場合は、STUDIOフォームを利用せず、「formrun」をSTUDIOに埋め込むといった方法もあると思います。

CMSの利用ができる

CMSの機能があり、ブログやニュース、事例記事など、幅広い使い方が可能です。

・CMSの件数について
どのプランでも利用可能ですが公開できるアイテム数が違います。
Free:100まで
Starter:10まで
CMS:2,000まで
Business:10,000まで
Starterの10まででは、実質公開できる記事は5、6件になるかも知れません。
お知らせなど簡単な告知を数件で使い回すケースで利用するのかなといったイメージです。

ちなみに記事数ではなくてアイテム数って?と思われると思います。
アイテムとは記事、ライター、タグ、カテゴリなどが当てはまります。
例えばライターが3人いると3アイテム、タグを5つ設定すると5アイテム使うと言ったイメージです。
各プランの数字はこの数字の合計です。公開した記事の数ではないので注意が必要です。

・デザインについて
記事部分についてはデザインについては自由度がすごく高いというわけではありませんが、工夫次第で幅は広がります。極端なこだわりがない限り十分見映えの良いものは作れると思います。

プロパティに登録したものは、デザインエディタと同じように表現できるので、凝ったデザインも可能です。

・WordPressからの移行について
WordPressからのエクスポートファイル(.xml)をインポートすることが可能です。
通常の投稿記事、タグ、カテゴリー、メディア画像などを移行することができます。
ただし、インポートに対応していないデータもあり、ワードプレスのものを全てを移行できるわけではありません。

・ユーザー権限について
以前は「オーナー」と「編集者」しかなく細かい設定ができませんでした。

現在はプランによって異なりますが、権限は「オーナー、お支払いオーナー、編集者、ライター」と4つあり、編集者については、フォームのダッシュボード操作についての制限が選択できます。また、もちろん複数のユーザーで共同編集が可能です。

WordPressの権限とは異なる部分も多いため、WordPressで投稿者、寄稿者、購読者権限を厳密に管理していたWebサイトは注意が必要です。

・API連携
Notion、microCMS、AirTableなどの外部サービスとAPI連携できます。
すでに記事をNotionで管理されていたり、データをAirTableで持っていたりという企業ではピッタリの機能です。

独自ドメインでの公開

新規の独自ドメイン、リニューアルで以前使用していた独自ドメインをそのまま使うのどちらも可能です。
公開の際にTLS証明書の発行に3〜4時間程度かかります。リニューアルの場合はダウンタイムがさらにもう少し長くなる可能性があります。

Google Analytics

Googleアナリティクスは無料のFreeプランを除いて連携が可能です。
以前はv4の場合はGTM(Google Tag Manager)が必須でしたが、現在はv4であっても簡単に設定が可能です。

Google Search Console

こちらも無料のFreeプランを除いて連携が可能です。
サーチコンソールはSEO対策に重要なツールなので、使用している企業さんは多いと思います。簡単に設定可能なのでうれしいですね。

Google reCAPTCHA

悪質なbot対策にGoogleリキャプチャを利用することが可能です。

月毎の契約

料金は月払と年払いがあります。
月払いの方が割高ではありますが、最低利用期間などはありません。数か月しか使わないスポットのLP(ランディングページ)にもSTUDIOなら導入しやすいですね。

ライブプレビュー環境

STUDIOの魅力のひとつにプレビュー環境の利用があります。すべてのプランで利用可能です。STUDIOで作成中のページを簡単にブラウザで閲覧可能です。もちろんプレビュー環境の削除も簡単。また、編集中の内容がすぐにプレビューに反映されます。

ただBASIC認証がかけられないので、URLを知っていれば誰でも見れてしまうのと、一部機能の確認ができません。

ヘッダー、フッターなどの共通パーツ

コンポーネントを利用して共通パーツが使えます。1つ修正すればすべてに反映されるので便利ですね!
以前はできなかったヘッダーなどのカレント(現在地)表示もできるようになりました!

埋め込みができる

デフォルトでYoutubeやGoogle Map,Vimeo,Facebook,X(Twitter),Sportify,Codepen
SlideShare,Formrun,FIrework,HubSpotなど様々なコンテンツの埋め込みが可能です。
多少コードの知識が必要になりますが、iframeの機能を使ってSpeaker DeckをSTUDIOに埋め込むこともできました。

アフィリエイト

通常の商品アフィリンクなどはできますし、Amazonの商品リンクも埋め込み(Embed)を使用して掲載できます。
また、GTMやカスタムコードを使うことでGoogle Adsenseも利用可能です。おおよそ何でもできるかと思いますが、すべて検証したわけではないのでできないものもあるかもしれません。

RSSの読み込みができる

noteの記事などをRSS埋め込み機能を使いSTUDIOプロジェクト内のページに表示することが可能です。表示数の変更やデザインのカスタムなど自由度も高いです。
ノーコードでここまでできるなんてすごいですね。
ちなみに読み込み可能なRSSは3つまでですが…
当社のお客さまでどうしても3つ以上使いたい!とのご要望があり、STUDIOさんに個別で対応していただいたことがあります。動作は保証しませんとの事でしたが、問題なく動いているようでした。この時はSTUDIOって、けっこう柔軟な対応をしてくれるんだな~と感心しました。

モーダル

モーダル機能が使えます。けっこう簡単に(笑)
スマホのメニューなどもモーダルを使う形がおすすめですね。
以前、モーダルはレスポンシブ対応していませんでしたが、今はできるようになったのでとても便利です。

STUDIOでできないこと

固定IP

固定IPからのみプロジェクトの管理画面に入るなどの操作制限はできません

Basic認証

STUDIOサイトの事前確認はライブプレビューで閲覧することになり、Basic認証は用意されていません。

サブディレクトリでの公開

プロジェクトから直接契約できる、Free〜BusinessプランではサブディレクトリでのSTUDIOサイトの公開はできません。
2023年11月にリリースされた、Enterprise版であれば一部のサブディレクトリをSTUDIOサイトにすることが可能です。

スマートフォンで管理画面が使えない

通常ページの更新やデザイン修正などをスマホで作業しようと思う人は少ないと思いますが、CMSの記事作成などはスマホで進めたいとの要望もあると思いますができません。
WordPressはアプリがあり、記事の作成などはスマホからも操作できますが、STUDIOではできません。

ECでの利用(ショッピングカートなど)

STUDIOにはカート機能や、支払いの機能はありません。
連携できるサービスもあるので、ECで利用したい場合は他のサービスとの連携も含めて検討するのが良いかなと思います。

会員制サイト

こちらもSTUDIOではできません。

予約管理サービス機能

STUDIOには予約管理機能はありません。

AirTableなどとのAPI連携などでの実現されている事例もあるようです。また、予約機能部分だけ外部サービスを利用するということもよさそうです。

マージン、パディングの指定にAutoや%が使えない

マージンとパディングはpxのみ。px指定であれば、ネガティブマージン(- マイナスの指定)は使用できます。
画像の幅やdivの幅指定には%は使えます。
左右余白などでどうしても%で指定したいときは、透明のDivに%指定して調整します。

フォントサイズの指定にemが使えない

フォントサイズの指定はpxのみです。
h1などの大きいフォントサイズを指定する場合はちょっと困りますよね。
STUDIOではブレイクポイントごと(スタジオではスモール、タブレット、モバイル、ミニ*320pxのスマホなどと4つ設定可能)にフォントサイズの指定はできるので、そこで調整する方法になります。

ベースフォントの指定ができない

STUDIOでテキストを入力する場合デフォルトは「文字サイズ20px、フォントLato、行間1.4、ウェイトは400、文字色#333、中央寄せ」になります。
いちいち設定するのが面倒なので、いったん設定したテキストをコピペで使うのがおすすめです。
特に文字色#333と中央寄せ(デフォルトで幅auto)が見た目で気づきにくいので、注意が必要です。

STUDIOで使用しているドメイン内にSTUDIO以外のページは置けない

こちらはサブドメインを作って別ページを置くなどの対応になりますね。

vw(viewport width)が使えない

なぜかvhは使えますが、vwは使えません。
%は使えるのでそちらで近い表現をする形になります。
CSSではできるのに!といったコーダー目線で見てしまうとSTUDIOではできないことは多いかもしれないですね。

アカウントを削除を自分だけではできない

アカウントを削除する場合はSTUDIOのサポートに問い合わせをする必要があります。
少し面倒に感じますが、有料プランの方が誤って削除したりしないようにするためなのかもしれないですね。

さいごに

いかがでしたか?
以前はできなかったタブ切り替えやドロップダウンリスト、アコーディオンなどはトグル機能を使ってできるようになりました。
またカルーセル機能がCMS以外のページでも利用できるようになりました。
カスタムコードもリリースされ、CSSやJSの追記ができるようになり、アニメーションの表現やスクロールなど機能の幅も広がりました。
また、プロジェクトのバックアップやコピーができるようになるなど、最近は特にビジネスの現場で求められる内容に関した改善が頻繁に起きているように思いますし、Enterprise版の登場で大企業での利用も今後ますます増えるのではと思われます。
これからはこまめに機能についての発信をしていきたいなと思います!

<当社実績ご紹介>
年に1度開催されるSTUDIO DESIGN AWARDにて、2020年にコーポレート・サービスサイト賞、2023年にSTUDIO DETAILS賞を受賞しました。
47グループサイトリニューアルプロジェクト
野崎ひろこ ポートフォリオサイト制作

<STUDIOでのサイト構築もご相談ください>
ヒカリナではSTUDIOでのサイト構築業務を行なっています。新規サービスのWebデザインやブランディングの支援などを中心に支援いたします。
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