こんにちは!ヒカリナ学生インターンの町山です。
昨今、金融業界でもAIの活用が進んでおり、特に投資に役立つサービスが様々生まれています。
今回の記事では、その中でも特に「投資判断」に役立つAI投資サービスを、

  • 投資一任型ロボアド・自動売買
  • アドバイス型ロボアド
  • 株価予測・分析サービス
  • チャットAI

の4タイプに分けて紹介していきます。

運用もAIにおまかせ「投資一任型ロボアド・自動売買サービス」

まず紹介するのは、投資一任型のロボアドサービスや自動売買サービスです。
投資判断そのものをAIに任せられ、今回紹介する中では最も自動化の度合いが高いタイプとなります。

ROBOPRO / FOLIO

料金:年率1.1%(税込)
対象:どなたでも
公式サイト:https://ai.folio-sec.com/

「ROBOPRO」は、SBIグループ傘下のFOLIOにより提供される投資一任型のロボアドバイザーサービスです。
世界中の株式や債券、不動産など、様々な資産に分散して投資をおこなう「グローバル分散投資」の手法を用い、中長期的な視点でAIが投資配分をリバランスしてくれます。
一般的なロボアドとは異なり、コース変更を行わなくても、予測結果に基づいて毎月柔軟なリバランスが行われます。
そのため、つねに最適な投資配分を維持することができます。

予測は、高度なAI技術と金融工学理論を組み合わせた投資判断プロセスに基づき、40以上の先行指標を用いて行われます。
予測精度の高さは公式サイトにある毎月のパフォーマンス実績を見れば明らかで、試算では20年1月のサービス公開から23年7月末まで投資をしていた場合、およそ58.16%の増収が期待できます。 この点もROBOPPROの大きな強みとなっています。

QUOREA FX / フィリップ証券

料金:月額2980円+月間売買代金の0.03%
対象:どなたでも(自動売買には松井証券 / フィリップ証券 / 岡三オンラインの口座が必要)
公式サイト:https://quorea.jp/

次に紹介する「QUOREA FX」は、FXの自動売買プラットフォームです。
一般的に資産を保有し続けるロボアドとは異なり、売却も自動で行ってくれるため、短期的な投資にも適しています。 特に、

  • ユーザー同士で取引が行われるCtoCのプラットフォームであること
  • 「投資ロボット」はユーザー自身が作成・選定できること

以上の2点から、他の投資サービスとは異なる画期的なサービスとなっています。

投資ロボットとは、短期的・長期的な為替の値動きを分析し、売買の判断を自動で行ってくれるAIシステムのことを指します。
QUOREA FXでは、QUOREAが提供する開発パーツを利用して、ユーザー自身がロボットを自分好みにカスタマイズできるようになっています。
また、他のユーザーが作成した投資ロボットを利用することも可能です。
各投資ロボットはAIによる点数付けが行われるので、この点数を参考にしたり、選定を行えるようになっています。

AIの提案で投資判断を簡単に「アドバイス型ロボアド」

次に、アドバイス型のロボアドサービスを紹介します。
運用は自分で行う必要がありますが、どのような投資判断が最適かAIが教えてくれるため、その分自分で考える手間が省けるタイプとなっています。

AI株式ポートフォリオ診断 / SMBC日興証券

料金:無料
対象:SMBC日興証券「ダイレクトコース」ユーザー
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/products/stock/portfolio/index.html

「AI株式ポートフォリオ診断」は、SMBC日興証券が同社の「ダイレクトコース」ユーザー向けに提供する、アドバイス型のロボアドサービスです。
AIの予測結果と現代ポートフォリオ理論、さらにユーザーのリスク許容度や見直しの頻度、資金、保有銘柄などの情報をもとに、最適なポートフォリオをAIが提案してくれます。

AIには、ディープラーニングの手法を用いて全上場銘柄の決算データや株価データが学習させてあり、国内株式上場銘柄の期待収益とリスク、銘柄同士の相関を算出します。
新規ポートフォリオの提案も保有ポートフォリオのリバランスの提案も行ってくれるので、これから投資を始める方も既に始めている方も利用できます。
特に、リバランスの提案には、SMBC日興証券以外の証券会社で保有している銘柄も考慮してくれるので、複数口座を持っている方にも適したサービスです。

AI予測・分析で正確な投資判断を可能に「株価予測・分析サービス」

次に、株価の予測をしてくれるAIサービスを紹介します。
アドバイス型ロボアドほどサジェストに重点は置かれていませんが、AIによる高精度の予測・分析で効果的な投資判断を可能にしてくれるタイプです。

AI株価見守りサービス / SMBC日興証券

料金:無料
対象:SMBC日興証券「ダイレクトコース」ユーザー
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/products/stock/aimonitoring/

「AI株価見守りサービス」は、AIの予測と投資戦略をもとに国内株式の売却タイミングを通知してくれるサービスです。
先ほど紹介した「AI株式ポートフォリオ診断」と同様、こちらも利用条件としてSMBC日興証券のダイレクトコースに加入している必要があります。

AIには株価データや市況データを学習させてあり、回帰モデルを用いて国内株式上場銘柄の1週間先のトレンドを予測してくれます。
この予測結果と「ロスカット&プロフィットホールド戦略」という投資戦略に基づき、リアルタイムで売り買いの判定が行われます。
また、AIによる機能とは別に、テクニカル指標を参考として「買いシグナル」を表示してくれる機能もあり、こちらも投資判断に役立つコンテンツとなっています。

TRADE / milize

料金:月額1,100円(税別:2022年10月公表)
対象:どなたでも
公式HP:https://milize-investment.co.jp/milize-trade

Tradeは、MILIZE INVESTMENTが提供する投資判断サポートツールです。
機能の一つである「AI株価予測」では、ユーザーの保有銘柄の動向を予測します。
使用されるAIには独自の計算アルゴリズムを搭載されており、毎日上場銘柄の定量データをもとに分析が行われます。
今後は非構造データ、オルタナティブデータの活用やテクニカル指標、新たな統計手法の併用が検討されているようです。
さらなる予測精度の向上に期待が持てますね。

他にも、投資判断に役立つ機能として「アルゴリズムトレード」が挙げられます(AIの活用は明言されていません)。
こちらは、投資家の心理やポジション状況を通じ、相場の変動が株価にどのような影響を与えるか分析してくれるものとなっています。

AI日本マーケット予測 / auじぶん銀行

料金:無料
対象:auじぶん銀行の口座保有者
公式HP:https://www.jibunbank.co.jp/service/ai_japan_market/

次に紹介する「AI日本マーケット予測」は、株式市場全体の動向が把握できるサービスです。
手数料は無料ですが、利用にはauじぶん銀行の口座およびアプリを保有している必要があります。

予測の対象には「今月の日本株価」と「5営業日後のTOPIX」の2種類があります。
日本株価トレンドのAI予測は、日本企業の購買計画等の情報を指数化した「auじぶん銀行日本PMI」やTOPIXの過去一か月のデータをもとに行われます。
また、TOPIXに関してはより短いスパンの予測が可能で、5営業日後にTOPIXが上昇するか下落するか、予想される動向がわかります。

AI銘柄ナビ / マネックス証券

料金:無料
対象:どなたでも
公式サイト:https://info.monex.co.jp/service/ai-nav.html

続いて紹介する「AI銘柄ナビ」は、売買のタイミングや株式の銘柄選びのヒントを与えてくれるサービスです。
主なサービス内容は個別銘柄のトレンド予測で、一か月後に予測される株価の動向を「大幅に上昇」「上昇」「下落」「大幅に下落」の4択で教えてくれます。
予測は、過去の株価情報や業績、日米主要指数、為替、利回りなどの情報を総合的に用いて行われます。

また、5G、インフラ、高齢社会などのテーマを選択すると、AIが関連度の高い銘柄を判定・ピックアップしてくれるなど、銘柄選定にもAIが活用されています。

テクニカル指標総合分析・AIモニター / moomoo証券

料金:無料
対象:moomoo証券ユーザー
公式HP:https://www.moomoo.com/jp

次に紹介するのは、2022年に日本進出を果たし話題となったmoomoo証券のAIを用いた分析機能です。
他のサービスのような「予測機能」はありませんが、AIの分析結果をもとに取引タイミングを逃さないよう手助けしてくれる便利な機能となっています。

AIによる機能は主に2つあります。
一つ目の「テクニカル指標総合分析」は、テクニカル指標をもとに個別銘柄の強気・弱気の度合いを分析してくれる機能です。
過去一年間の15種類のテクニカル指標をもとに、バロメーター形式で対象銘柄の売買タイミングをサジェストしてくれます。
また、「AIモニター」では、株価の通常のレンジを超える出来高(取引高)または値動きをAIが検知し、通知してくれます。

投資判断に必要な情報収集を効率化「チャットAIサービス」

最後に、チャットAIサービスを紹介します。
チャットAIを活用すれば情報収集を効率化でき、投資判断を行う際の手助けになります。
他に比べると自力で判断する割合は高いですが、自身の知識やテクニカル指標などを駆使しながら高精度の投資判断を目指せるサービスです。

マーケットAI / 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

料金:無料
対象:三菱UFJモルガン・スタンレー証券の「オンライントレード」ユーザー
公式サイト:https://www.sc.mufg.jp/sp/marketai/index.html

「マーケットAI」は、国内株・米国株・為替・指数・投資信託に関する質問にAIが最新情報を回答してくれるサービスです。
「値上がりした国内株は?」、「ダウ平均はどうなっている?」など、チャット形式で市場状況や特定銘柄に関する回答を得られます。
特に、質問によっては複数の回答を生成してくれるため、投資判断に必要な情報を、Web上で検索するよりも効率的に収集することができます。

サービスは、PC・スマートフォンのブラウザまたはスマートフォンアプリから利用可能です。
さらに、回答は24時間いつでも得られるため、場所や時間を選ばずに使える便利なタイプとなっています。

まとめ

今回は、AIを利用した投資に関するサービスについて紹介しました。
AIの分析・予測精度は学習により今後も向上していくことが見込まれます。
今回紹介したサービスがどのように成長していくか、また今後どのようなサービスが出て来るか、注目していきたいですね。