こんにちは!ヒカリナ学生インターンの町山です。
海外金融アプリのサービスやUIについて感じたことをシリーズ化して発信しています。
第3回目の今回は、自動投資機能に優れたスーパーアプリ「M1 Finance」をご紹介します。
投資からクレジットカードまで一手に提供するスーパーアプリ
M1 Financeとは、アメリカ在住者を対象にした投資からクレジットカードまで一手に提供する金融スーパーアプリです。
“Empowering you to take control”(人生をコントロールする力をあなたに)という理念をもち、
- Invest(投資)
- Spend(デビットカード)
- Borrow(低金利ローン)
- Owner’s Reward Card(クレジットカード)
の大きく4種類のサービスを提供しています。
自動リバランスが便利なM1 Financeの投資
4つのサービスの中でも注目したいのは、ETFや米株の投資です。
よく短期投資に強いスーパーアプリ「Robinhood」と比較されますが、M1 Financeでは長期投資や積立投資を提供していることが大きな違いです。
M1 Financeでは、投資口座開設時にポートフォリオを設定すると、口座に入金するだけでポートフォリオに沿って自動で運用できます。
これはDynamic Re-balancingという機能で、設定しておくと、ポートフォリオでの割合を下回った銘柄を入金のたびに買ったり、反対に割合を上回った銘柄を売ったりしてくれます。
このようなオートメーション機能はM1の強みだと言えます。
有料プランで投資がさらに便利に
また、年会費$125の有料プラン「M1 Plus」では、投資がさらに便利になる機能を提供しています。
中でも、Owner’s Reward Card(クレジットカード)の追加機能は特徴的です。
M1 Plus会員の場合、amazon、スターバックス、netflixなど70以上の大手有名ブランドでの決済が最大10%キャッシュバックされます。
キャッシュバックされたお金は自動で投資に使われ、おつり投資のような感覚で投資ができます。
M1 FinanceのアプリUI
ここからは、アプリのUIについて紹介します。
公式サイトにあるアプリ画面を見ると、紺を基調としていて落ち着いた印象を受けます。
下部にタブバーが固定されている一般的な仕様で、各ページへ簡単に遷移できるようになっています。
では、主要な画面を詳しく見ていきます。
Home画面 : 資産の状況がまとめてわかる
まず、Home画面です(アプリ画面は公式サイトの画像を参照ください)。
画面中央には、
- Invest:投資額
- Spend:デビットカードの残高
- Borrow:借入額
- Owner’s Reward Card:クレジットカードの利用額
がそれぞれタイルで表示され、M1 Finance内の資産状況が一度にわかるようになっています。
また、投資額とデビットカード残高はAsset(総資産)として、借入額とクレジットカードの利用額など支払い義務のある金額はLiability(負債)として区別しており、画面上部の棒グラフは総資産に対する負債と純資産のバランスを表しています。
棒グラフの緑の部分は純資産を示しており、その額はnet worthとして最上部に大きく表示されます。
一方、負債は赤い部分で表され、ユーザーはこの部分が大きくなりすぎないよう直感的に意識できる仕様だと思います。
国内家計簿アプリなどでは支出と収入のバランス(赤字か黒字か)を意識したものが多い印象ですが、総資産と負債という視点でユーザーの資産状況を表しているのは、投資やローンも提供するスーパーアプリならではのように感じます。
Invest画面 : 現在の運用状況を見える化
ポートフォリオや各銘柄の評価額は、タブバー「Invest」から遷移できる画面にまとまっています。
(アプリ画面は、公式サイトやこちらの公式ブログを参照ください。)
この画面では、ポートフォリオ視覚的に表している円グラフが特徴的です。
線の太さで、目標とするポートフォリオのアロケーションと現在の運用状況を、視覚的に確認できるデザインだと思います。
銘柄の評価額が目標のアロケーションを超えている場合、そのパイの幅が白い円より外側に飛び出し、不足する場合、パイの幅が白い円よりも小さくなるデザインとなっています。
先ほど紹介したDynamic Re-balancingでは、この不足している銘柄を自動で購入することになります。
リバランスによってきれいな円に近づいていくイメージですね。
独特なデザインですが、慣れれば目標と比較した現在のポートフォリオの状況を視覚的に確認できて便利そうです。
まとめ
今回は、金融スーパーアプリ「M1 Finance」のサービスとアプリUIについてご紹介しました。
注目したいポイントは、
- 投資、デビットカード、ローン、クレジットカードの4種類のサービスの利用状況や資産の状況がよくまとまったHome画面
- 資産や投資の運用状況を可視化したグラフ(特にポートフォリオは特徴的)
の2つです。
自動リバランスなどサービスの便利さだけでなくUIにも優れ、「Empowering you to take control(人生をコントロールする力をあなたに)」というコンセプトに沿ったアプリだと思います。