Googleアナリティクスでの分析において、セグメントを切った上での分析方法が有効ですが、VoicePocketというサイト内アンケートツールを活用することにより、さらに分析の幅を広げることができますので、今回はそちらをご紹介させていただきます。
サードパーティートラスト社が提供する“VoicePocket”はサイト利用者の行動原因を把握できる優れたツールです。
Googleアナリティクスなどの分析で得られた仮説や、課題と思われる箇所に対して、リアルなサイト利用中のユーザーに対してアンケートを行うことができるため、データの裏にある、ユーザーの心理(行動原因)を知ることができます。
データに加え、数値の理由を探ることで、より的確な施策につなげることができます。
また、競合分析やユーザーテストで得られた仮説に対し、ボリュームを検証するためのツールとしても使えますので使い勝手の良いツールと言えます。
そして、もうひとつ有効な活用の仕方としてあげられるのが、Googleアナリティクスとの連携による、アンケートの回答結果をキー(切り口)にした分析です。
以下に少し具体的な例を2点ほどあげさせていただきます。
比較検討している競合サービスに対する回答をキー(切り口)にする例
例えば、ユーザーが比較検討している競合サービスを質問することで、この回答結果ごとにGoogleアナリティクスの指標を見たり、パフォーマンスを評価することができるようになります。
ツールベンダーさんのサービスサイトの場合であれば、一般的には、料金/プラン、機能一覧、事例、資料ダウンロードなどのページがあるかと思いますが、どの競合と比べてますか?というアンケート結果の回答と掛け合わせることで、以下のようなことが可能となります。
仮に、以下のような二つの傾向が見えたとします。
1.A社と比べている人は何度も機能一覧を見ている
2.B社と比べている人は料金を何度も見ている
こうした傾向が見られるようであれば、この結果を受けて、あらためて、競合の機能との差や、料金の差を細かく分析しようという行動につながり、結果、以下のような施策の候補が見えてきます。
A社は機能を細かく記載しており、一方、自社は細かな部分は省略してしまっているので、自社には機能が無いと勘違いされないように、細かく記載する対応の重要性が浮き彫りになります。
B社とはプラン内容と料金体系が異なるため、単純な比較は難しいが、見方によっては自社のほうが高く見えてしまっている可能性もあると想定される場合は、表現の仕方の工夫を検討することができます。
このように、具体的な競合を意識することができれば、打ち手も検討しやすくなります。
過去のサービスの利用状況に対する回答をキー(切り口)にする例
その他の例としては、サービスの過去の利用状況(利用経験がない、過去に利用経験がある、現在利用中など)といった質問の回答結果をキーにした分析も考えられます。
Googleアナリティクスのデフォルトのセグメント設定では、リピート訪問状況をセグメントに指定することはできますが、その対象はあくまでもWebサイト内の行動に限られます。
一方、サイト内アンケートツールを活用することで、前述したサービスの過去の利用状況のように、サイト外の行動までセグメントの対象を広げることが可能となります。
リアルなユーザーに対する行動原因の分析に加え、Googleアナリティクスのセグメントを調査ニーズに合わせて自由に追加できる点は、一般的なアンケート調査が持ち得ない、サイト内アンケートツールならではの特長であると言えます。
以上、2点ほど、VoicePocketの活用例を見てきましたが、仮説をもとにうまく活用することができれば、サイト改善にとって強力な武器となるでしょう。